私たちの日常生活でも特に身近なプラスチックといえるのが「ビニール」です。皆さんはこの「ビニール」について、どれくらいご存知でしょうか?
ビニールの正式名称は「ポリ塩化ビニル」。略して「塩ビ」などとも呼ばれますが、正確には”ビニール”ではなく、”ビニル”が正しい発音。
英語では、”polyvinyl chloride”。プラスチック業界ではもっぱら「PVC」と呼ばれています。
今回の記事ではこの「PVC」がどのような素材でどんな特徴をもつのか、その広い用途についても詳しく触れていこうと思います。
原油から分解するエチレンと天然の塩を電気分解してできる塩素を結合しできた二塩化エチレンを熱分解して作れらる。
塩が60%、40%が石油でできているというのは驚きですね。
100%石油からできている他のプラスチックと異なり、省資源性の高い環境にやさしいエコなプラスチックと言えるかも知れません。
数あるプラスチックの中でも最も歴史が古いのが、このPVC。何と発見したのは、あのフランスのルノー。
1838年にルノーで発見され、その後1935年からドイツのIG社によって本格的に生産が開始されました。
日本においては戦後直後から工業化が進み、1959年には世界2位の生産量を誇りるまでに急成長。10年後の1969年には高度成長の波にのり生産量は100万トンを突破。
1970年代のニクソンショックやオイルショックにより一時生産量は落としながらも、1990年には200万トンを突破しました。
2000年代に入ると世界的な環境問題への対応により1997年をピークに生産量は減少しています。
PVCは何故ここまで重宝されてきたのでしょうか?
それはこの素材の多彩な特徴にあります。
・無味無臭
・酸、油、アルコールに耐性がある
・吸水性が低く、耐水性がよい
・電気絶縁性に優れている
・加工性が非常に優れている
特に最後の「加工性が非常に優れている」という点が様々な用途に広がった最大の要因といってもよいでしょう。
樹脂を自在に加工することを「カスタマイズ」と呼びますが、このカスタマイズは「形状だけではない」のです。
樹脂の固さや強度、耐熱性、耐薬品性、対候性…など、使用上考えうるありとあらゆる条件に最適なスペックに仕上げることができるのです。
樹脂の中で何故PVCがここまで広く日常生活や生活インフラに浸透したのかが良くお分かりいただけるのではないかと思います。
具体的には、水道管、電線、サッシ、床材、壁紙、ホース、農業用フィルム、ラップフィルム、自動車の各種部品などに広く活用されています。
生活の身近なものとしては、「テーブルクロス」が分かりやすいかもしれません。水をはじくあの耐水性はPVCが実現しているのです。
その他、ベルトやハンドバックなどのファッション製品、卵のパック、医療用の
カテーテルなどにも使われています。
PVCの特徴とその広い用途についてよくお分かりいただけたのではないでしょうか?
当社HAMAXは、PVCを使ったあらゆる加工ノウハウと多数の実績を誇っております。
こんなプラスチック素材はできないのか?というご要望がある場合は、是非お気軽に当社までご連絡ください。